FAQ

数理科学EPについて,多くのみなさんが疑問に思うことにお答えします。


■カリキュラムについて


Q 転EPは簡単にできるのですか?
A 所属するEPは入学時に決まりますが,1年生から2年生に進級するときにEPを変更することができます。ただし,そのためには成績など一定の条件を満たしていなければいけません。なので,「簡単にできると」は言えないでしょう。多くではありませんが,1年生のときに履修しなければならないそれぞれのEP独自の専門科目があるので,入学後に転EPを考えるのであれば,そうした科目も計画的に履修しておく必要があります。

Q 成績が悪いと強引に転EPさせられることって絶対ないのですか?
A 絶対にありません。転EP制度は,本人が希望していることが大前提になっています。

Q 学士(理学)と学士(工学)はどう違うのですか?
A 数理科学EPは,理工学部の中でも「理」の部分を担保する役目を背負っています。なので,そのカリキュラムの中で理学部数学科相当の勉強をすることができます。その一方で,数理科学EPの特色を出すために,物理シミュレーションや画像情報処理など,数学の応用面に目を向けた勉強もすることができます。あなたが理学部数学を意識して勉強をするのであれば「学士(理学)」を,応用に力を入れて勉強をしたければ「学士(工学)」を取得することを目指しましょう。将来にとってどちらを取った方が有利か不利かということはありません。あなたのアイデンティティーの問題です。

Q 言語学って,文系分野の科目なのでは?
A 確かに,日本国内では言語学は文学部などの文系学部で学ぶことになっています。しかし,海外では認知科学の一分野として理系的なセンスで言語学が研究されています。そこで,通常の言語学と区別するために,理系的な言語学を「理論言語学」と呼ぶことがあります。数理科学EPは,理系でありながらにしてその理論言語学を学べるという,日本ではかなり稀有な存在です。「数学→論理学→理論言語学→自然言語処理」という流れのなか理論言語学を学ぶとよいでしょう。

Q 数学,理科,情報の教員免許をすべて取ることができるのですか?
A 数理科学EPのカリキュラムでは,数学と理科の中学校と高校の教員免許および情報の高校教員免許を取れるようになっています。しかし,そのすべての免許を取得しようとすると,履修すべき単位数がかなり多くなってしまうので現実的ではありません。あなたの将来計画に応じて必要な教科の免許だけを取得するようにした方がよいでしょう。特に,数理科学EPでは「数理…」と言っているくらいなので,数学の免許は比較的簡単に取れます。また,数学と情報の免許を両方取得しておくて,高校の教員になるときに有利かもしれません。

Q 現在の工学部は忙しいって聞いているんですけど,数理科学EPはどうですか?
A 数理科学EPでは「自分の頭で考え、深い理解に到達する」ということをとても重視しています。そのため,理工学部の他EPよりは,ずいぶん緩やかなカリキュラムになっています。長時間にわたる実験や実習もありません。なので,「自分の頭で考える」ということを常日頃から実践している人にとっては楽しいところです。しかし,自分の頭で考えることを怠っていると,留年してしまうかもしれません。

Q サークルに入る余裕はありますか?
A もちろんです。自己管理できる人にとっては,サークル活動をエンジョイする時間は十分にあります。

■入試について


Q 数理科学EPを第一志望にすれば,優先的に数理科学EPに入学できるのでしょうか?
A 数物・電子情報系学科で一括して合格者を決めるという建前なので,数理科学EPを第一志望にしたからといって優先されるわけではありません。入試の成績が優秀な人が優先されると思ってください。つまり,入試の成績がよい人の第二志望の方が成績の悪い人の第一志望よりも優先されるということです。

Q 文系の勉強だけで受験できるのでしょうか?
A 高校で文系のクラスにいたかどうかは問題ではありませんが,前期後期とも「数学 III」を課していますので,やはり理系の勉強をしていないと数理科学EPを志望するのは難しいでしょう。しかし,数理科学EPのカリキュラムは,仮に「数学 III」を履修していなくても,履修は不可能ではありません。入試で合格する程度に微分積分を勉強しておけば十分かもしれません。高校時代に理系の勉強に加え,文系的なセンスも身につけておいてもらえれば最高です。

■卒業後の進路について


Q どのくらいの人が大学院に進学するのでしょうか?
A 2011年に数理科学EPが発足して以来,毎年,およそ3分の2の学生が大学院へ進学しています。

Q 卒業後にはどのような職業に就けるのですか?
A 数理科学EPでは簡単にいうと「数学」と「情報」を学びます。それを前提にすると,ITや通信関連の企業,銀行・保険・金融関係などへの就職が考えられます。また,科学ジャーナリストとして出版業界で活躍してもよいでしょう。教員免許を取得して,中学校・高校の教員になることも考えられます。

■支援制度など


Q 授業料免除制度はありますか?
A 授業料を(全額あるいは半額)免除したり,授業料の徴収を猶予したりする制度があります。本人の申請に基づき選考が行われ,決定されます。詳しいことは,横浜国立大学学務・国際戦略部学生支援課ウェブサイト(https://www.gakuseisupport.ynu.ac.jp/expense/)をご覧下さい。

Q 奨学金制度はありますか?
A 日本学生支援機構の奨学金制度のみではなく,横浜国立大学独自の奨学金や地方公共団体,民間育英団体奨学金などの奨学金が用意されております。詳しいことは,横浜国立大学学務・国際戦略部学生支援課ウェブサイト(https://www.gakuseisupport.ynu.ac.jp/expense/)をご覧下さい.

■その他


Q 教育人間科学部学校教育課程でも「数学」の教員免許が取れるようですが,数理科学EPとはどう違うのでしょうか?
A 教育人間科学部学校教育課程では,小学校教員の免許取得が義務付けられており,高校の教員免許取得はオプションという位置づけになっています。言い方を変えると,「児童生徒の心を理解し,受け止めるにはどうすればいいか」,「学級経営を円滑に行うにはどうすればいいか」,あるいは「いかに教えるか」など,教員として必要なスキルの修得に重点が置かれているので,教科を限定せずに幅広く学ぶ必要があります。一方,数理科学EPでは,考究や演習を通して, 学問としての「数学」の内容を深く理解することに多くの時間を費やします。数理科学EPで教員免許を取得する場合には,専門的な数学に触れた上で,数学の深い理解に基づいて適切な授業を設計できる教員を目指します。